色々な作曲家の舞曲

2026年5月5日

シューベルトの舞曲について綴った後で、他の作曲家の舞曲も調べてみました。ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン、ショパン、ドヴォルザーク、ブラームスといった人たちも舞曲を作曲しています。それぞれの特徴が出ていて短い素朴な曲ですが楽しめます。
ショパンが愛した舞曲はマズルカでした、ボーランドの民族舞踏としてポーランドの人たちによって大切にされているものです。ポロネーズやバラードなどもありますが、リズムの形態がそれらしく聞こえるもののすでに立派に器楽曲として確立された作品という印象です。マズルカはボーランド特有の哀愁が色濃く反映されているもので、後ろ髪を引かれるような物悲しい雰囲気を持つものが多くショパンの音楽全体を集約した様なところがあり、五年に一度開かれるショパンコンクールでは第一予選でみんなが弾かなければならない課題曲になっているということです。六十曲ほどのマズルカから一曲を選んで弾くのです。
ハイドンやモーツァルトやベートーヴェンにも舞曲はあります。
もし「神は細部に宿る」という諺をここで引用して良いのならな、神は舞曲に宿ると言いたくなります。最も簡単な曲想で語る舞曲を聞いてみると、その作曲家の一番力を抜いた、自然体で音楽に向かっている姿が窺えます。難易度から言えば初級から中級程度ですから、しばらくピアノを練習すれば誰にでも弾ける様になるのだと思いきや、その簡単そうに見えるるところに落とし穴が大きな口を開けています。易しいものを弾く時ほど演奏家の深い音楽性が露骨に見えてしまうものなのです。
ドイツのピアニスト、ギーゼキングはお客さんを招くのが好きでした。そんな席でお客さんにピアノを弾いてほしいと頼まれると必ずモーツァルトの一番易しいピアノ曲を弾いたのだそうです。それがいらっしゃった方みんなの心に等しく溶け込んで、場を和ませたということでした。
舞曲というのは簡単そうに見える短い曲ですが、作曲家は手を抜いていないので、そこには湧き出ずる泉の様な透明感があります。
幼い子どもたちが見せる音楽体験は実に新鮮です。音楽鑑賞ではなく、体での反応です。歌うことより前に体を動かし踊ります。子どもの踊りですから型はなく、思いのままの気ままな動きです。しかし音楽をしっかり呼吸していて、素朴とはいえ音楽と一糸乱れることのない調和があります。
そんな舞曲のいくつかをライアーのために編曲して弾いてみると、ライアーって本当に子どものような楽器なんだとつくづく思うのです。シンプルであればあるほど嬉しそうに素直に響く楽器です。

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