五月蝿い

2026年8月29日

五月の蝿と書いてうるさいと読ませる日本語は相当ユーモアを持った言葉といっていいと思います。
とはいえ現実には、ユーモアで返せるほどの余裕はなく、五月に限らずハエは何時も迷惑千万な生きもののようです。
スイスの山にいると近くに牛が放牧されていて、牛の周りに群がっているハエの一部が昼寝をしようとしている私の周りに集まってきて、私の大切な静寂の時間の邪魔にかかるのです。
顔のいたるところに停まって手足を動かすのでこそばいこと極まりないのです。一ぴきならともかく、何時も五六ぴきでかかってくるので、イライラしてきてハエ叩きを手に、来るハエを叩き追いやったり、上手くいくと一時だけ数が減って喜ぶのですが、それも束の間直ぐに五六ぴきに増えて、それまで以上に私を苛立たせるのです。
私のところに来るハエを見て思うのは、何故部屋の中で私が横になっているところだけに集まってこなければならないのかということです。私のところに来れば嫌がられ追い返されることは百も承知なのに、鼻の上とか、くちびるの所とか、まつ毛の所とか、一番嫌がられるところを知って襲いかかってきているとしか思えないのです。
今生でハエを煩わしいと思ったことはありますが、それ以上に迷惑がった覚えはないので前世の因果と受け止めるべきなのか迷うところです。
蚊のブーンと言う、なんとも憎々しい音とは少し違うハエとの付き合いですが、こんなに私を慕ってやって来てくれているのに、私からなんの報酬も得られないなんて可哀想になることも無くはないのですが、それ以上に五月蝿いのでついハエ叩きを手にしてしまうのです。

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