一生に一度っきりの誕生日

2011年5月11日

ドイツで還暦を迎えるとは思わなかった。

還暦に思うことは、人生の不思議ということ。

人生は素晴らしい、そういうだけで十分の様な気がする。

 

皆自分の人生を持って生まれてきて、それを生きている。

そしてそれをたたんで死んでゆく。

人生は振り返れば過去形。今を生きていれば現在進行形。そして人生は未来形でもある。

 

六十年生きたけれど、毎日が人生だったので、今更お誕生日ですねと言われるのがとても歯がゆい。

書くということがこれからの課題だから、とにかく機会を見つけては書くことにしているが、自分の心が素直に書けるようになるにはまだ時間がかかりそうだ。

書くというのは、自分の心がそこにないとほぞをかむ様でむなしいので、自分のことを書くように努力している。

少なくてもいいのだが、詠んだ人の人生に関わるものであってほしい。

 

今年は千年に一度の大震災の年で、地球も今年から新しい課題を背負って生きて行くような気がする。

気が利く、注意深い人になりたい。

周囲のことに、周囲で何が起こっているのか、よく理解できる人になりたい。

私とあなたのバランスに気が付く人間になりたい。

 

宗教と学問と芸術が一つになって新しい考え方、感じ方、意志の力が生まれたらいいと思っている。

そのために書きたい。

学問的な知性の枠を超えたもの、宗教という枠を超えたもの、多くの人の感性に呼び掛ける様なもの、そして未来がそこから生まれる様なもの。

気の遠くなる様な話しだが、その位の思いを心に抱いていないと、千年読み続けてもらえる様なものは書けないだろう。

 

ブログを書くのは練習だが、これからの練習はノートに、ペンとか鉛筆で書くことの様な気がする。

文字を書いていると、心が近いものに感じられるからだ。

そこにはキーボードとはすこし違う、生な自分が言葉になるような気がする。

講演の時の喋る言葉は瞬時に消えてしまう。

それだから、その瞬間に聞いてもらえる生きた言葉を探す。

書く言葉は、残る言葉だから、気の使い方が違う。

いずれにしても美しい言葉は全ての人の心に届くだろう。

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