蛍の季節

2026年6月27日

ドイツはここ一週間、日中の気温が35度と40度の間です。何年か前にもこの時期に同じような猛暑で大変な思いをしたことがあります。さすがに40度を超える日は数えるほどですが、25年前から夏が猛暑で大変なのはお決まりになっています。
小学校の時に夏休みの宿題の一つに毎日、朝と夕方の気温を記録するというのがあり、今でも思い出すのは30度を越えた日が3日あっただけでしたから、原因がどこにあるのかはともかく地球規模の温暖化の影響が大きいのでしょう。
毎年暑かった日の夕方、いや、ほとんど暗くなりかけた時間帯に蛍に出会えるかもしれないという期待で森に出かけます。いつもの通り今年も行ってきました。昨日の暑さは特別でしたから期待通りたくさんの蛍が飛び交っていました。
ドイツの蛍は日本の蛍と比べるとかなり小さく、風が吹こうものなら風に任されて飛んでいってしまいそうなほどです。しかしその淡さ、儚さのようなところがなんとも言えず、もっと見たいという一心でどんどん森の中に入っていってしまいました。初めは空にいくらが濃いブルーの夕闇が見られたのですが、帰る時にはすっかり暗くなっていました。そうなると微かな光が一層不思議な存在感を感じさせるのでますます離れ難くなってしまうのです。
日本では「ほっほっほたるこい、こっちの水は・・」という歌になっているように、川辺や水が張られた田圃に見られるのが蛍ですが、ドイツの蛍は水辺に生息するものもあるようですが、水気のないところにも生息してします。ただ時間ば厳密で夜の十時からです。
毎年、今日は出ていそうだと期待に胸を弾ませて森に出かけてゆくのですが、空振りの方が多いです。蛍が呼んでいるなどと豪語して出かけてみられなかった時の寂しさはなんとももの寂しいものです。今年は呼ばれたようで、いつもよりたくさんの蛍が現れては消えて夕闇の森のひと時を賑わしてくれました。
ドイツにも鬼火という自然現象が見られます。私はまだ実際の鬼火には出くわしていないのですが、蛍は鬼火のような薄気味悪さのない純粋さが魅力です。しかもその淡い光がなんとも愛おしいのです。蛍を見る旅行などはリスクが大きいので旅行会社の企画にはならないでしょうが、それでも何かの機会が巡ってきた暁にはぜひドイツの蛍に会いにいってやってください。
不思議なのはドイツには蛍をしに呼んだ詩人というのが、私の知る限りではいないようなのです。ドイツ的な詩情を駆り立てるものではないということなのでしょうか。

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