ハリネズミの散歩
我が家の庭には時折ハリネズミが現れます。最近はめっきり見かけなくなったのですが、昔は夕暮れ時によく見かけたものです。また秋口の枯れ葉が積もっている時などに夜中にカサカサと音を立てて散歩していたようです。
突然ですがテールスープを作ろうと思い立ち牛のしっぽを買って煮出して、そのときの骨をビニールに包んで外に出しておいたら、夜十時頃そのビニールの袋の周りをうろついているハリネズミを本当に久しぶりに発見しました。嬉しくてみんなに声をかけてしまいました。
ネットで調べていたら、嗅覚の優れた動物だと書いてあって、しかも好奇心が強いので珍しい匂いにはとても敏感だとわかり、牛の尻尾の骨の匂いに惹かれたのだと納得しました。
ハリネズミは、畑をしているときの悩みの種のなめくじを食べてくれるそうです。我が家では妻が畑をしているのでハリネズミの訪問は大歓迎で、できれば餌付けでもして、夜な夜ななめくじ退治に来てくれるとありがたいと願っているようです。
どこで子どもを産み繁殖しているのかわかりません。昔は天敵のキツネ、テン、アライグマが夜な夜な庭を徘徊していて、彼らの犠牲になって針だけの死骸を目にしたものですが、今はそれらの点滴が転居?したようで、ハリネズミにとってはかなり住みやすくなったので遊びに来てくれたのかもしれません。昼の間は庭のどこかに穴でも掘って隠れていると想像します。小さい動物で、動きものんびりしている割には半径三キロ以上の行動範囲があるということで驚きです。
私を見て逃げ出した時は思った以上のハイスピードで短い足で小走りに逃げてゆきました。
ドイツでは縁起のいい動物ということになっています。幸福をもたらすという言い伝えもあると聞きます。ローマでは農業の神様として崇められていたそうです。
見てくれはずんぐりして、針だらけで、色もグレートーンで色気などはないのですが、愛っ苦しく、どことなく憎めない愛嬌のある動物です。びっくりしたりすると針を立ててしばらく小さく丸まっています。絶滅の危機にあるという話もあります。車に轢かれないで生き延びてくれといつも祈っています
ほとんど一人でのそのそと歩いて食べ物を探しているだけなのですが、そんな一途なところが私にはとても神秘的に映るのです。
我が家の庭を訪れる動物の中でも一番人気のようです。