失われた時を求めて

2026年8月25日

膨大な長編小説、[失われた時を求めて]の作者はフランスの小説家プルーストですが、あまりに長過ぎること、話そのものが、普通に知られている筋立てとは違い過ぎて、とっつきにくいためこの膨大な長編小説を読破した人は極めて少ない数と思われます。岩波の文庫版で500ページのものが14冊なります。
関心があったのでいつか機会を作って読もうととりあえず第一巻を買って見たものの、普通には読み始められなく難儀を強いられて、何度も挫折をしながらようやくこの夏読み始めました。
さて読み始めたはいいのですが、先に進まないのです。読んだ先からどんどん忘れてしまうのです。再読どころか数度読み返すこともありました。
書かれてあることがことさら難しいことではなく、どちらかといえば日常的事柄なのですが、それが延々とつながってゆくと、流れている時間の中に読み手の私が飲み込まれてしまい、自分すら失いそうになるのです。今自分が何処にいるのかを忘れてしまうのです。
何度も繰り返しながら何とか読み進む内に、実はこの時間の中に失われてゆく不思議な体験そのものがこの小説の狙うところだったのではないのかと気がついたのです。
そこに気がついてからは、好きなページをめくり、数ページを読んで失われて行く時間を楽しんでいます。
プルーストの描写する力は根気強く味わいがあり読者を退屈させないもので、その点は特筆すべきことで、この才能があって、このきわめて特殊な小説が生まれたようです。
読む内に自分の無意識の様なところにだどりつく様な錯覚を待つこともあります。
まだ読み始めたはばかりですから、これからどの様な進展があるのか自分でも楽しみです。
勿論日本語で読んでいるのですが、日本語の向こうにフランス語が見え隠れしていて、フランス音楽が聞こえてくるんです。久々に味わったとんでもない読書体験でした。いつかまたこの本についてお話できる日が来るのかどうかわかりませんが、取り敢えず今日はこの辺で失礼します。

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