シュトレンの季節

2017年11月23日

クリスマスが近づくとお店にはシュトレンが山積みされます。真っ白のお砂糖のパウダーに包まれたシュトレンは日本でも冬の象徴になっていますが何故なのでしょう。情報の行き届いた今日ご存じの方も多いかと思いますが、シュトレンは誕生したイエスキリストが布で巻かれていたことに由来します。

イエスキリストが布に巻かれていたという記述が聖書にあるのかどうかさだかではありませんし、当時の風習で赤ちゃんが布に巻かれたかどうかもわかりません。確かなのは、イエスキリストの誕生が描かれている中世ヨーロッパの絵画の中です。もしかすると絵が描かれた中世のヨーロッパの習慣にしたがったものかもしれません。

いずれにしろ赤ちゃんを布で包む習慣はヨーロッパにあったということです。

ところが色々と調べて行くと、ヨーロッパに限られたことではなく、世界各地に同じように生後間もない赤ちゃんを布でぐるぐる巻く習慣があったことがわかります。しかも現在もその習慣を周到している所があることを知りました。私はペルーでそうされている赤ちゃんがいたのをテレビで見たことがあります。生後一年は布に縛られているということでした。

赤ちゃんをぐるぐる布で縛るわけで、考え方によっては子どもの動きを妨げ、成長の障害になってよくないものに映るのでしょうが、長い間世界各地に見られた習慣なわけですから、そこに何かあると考えた方が自然な気がします。実は私は、赤ちゃんを布で巻くことにヒントを得て、人を救ったことがあるため、個人的には布でぐるぐる巻くことに賛成なのです。

 

交通事故で意識不明になった二十歳過ぎのお嬢さんが、布で体をぐるぐる縛られ、二週間後に意識を回復されたことがあります。その娘さんのおばさんにあたる方を知っていて、その方から電話で呼び出され、岡山から出雲病院に駆けつけました。講演ツアーの途中で夜遅く病院に着きました。ベッドの中のお嬢さんは顔を左右に振り、足をバタバタさせながら、とても苦しそうでした。医者の話では命に別条はないが恐らく意識が回復する可能性はゼロに近く、一生このままでしょうということで身内の方は失意のどん底でした。

足をバタバタさせているお嬢さんを見て、そこから力が抜けているのを感じたので、両石をしっかりと固定するようにお願いしました。突然のことで大きな布はなく、しかも夜で買い物もできなかったので、とりあえずは近くにあったバスタオルでお嬢さんの足をしっかりと巻いて、ばたつかないようにしました。バスタオルはすぐに緩くなるので、腹巻きにする様なサラシの布を10メートルほど用意して、それで腰のあたりから足先までしっかりと固定してくださいと言い残し、秋の講演ツアーの途中の寄り道でしたからその場を去りました。

次の日、医者が猛反対をしているので困っているという電話がありました。医者はそんなことをしたら患者の運動機能が退化してもっと悲惨な状態になるのですぐやめる様に半ば脅迫的勢いで言っていたそうです。身内の方はお嬢さんの顔が一夜にして、落ち着いて来ているのを見て知っていたので、医者に食いついて、二、三日様子を見させてほしいと頑張り、なんとか了解を得たそうです。次の朝にはお嬢さんは顔を左右に振ることをやめていたそうです。そしてそれまで眉間にしわを寄せて苦しそうだった顔がおだやかな表情に変わったのにびっくりしたそうで、次の二、三日で何かが起こることを期待したそうです。

その後の回復は目を見張るもので、まず目が開き、周囲を見はじめ、誰がそばにいるのかがわかる様になり、二週間で意識がしっかりと回復したということでした。もちろん担当医は、そんなことをしなくても注射で医師は回復したはずですと涼しげに言っていたそうです。ほとんどの医者に共通した破廉恥なものの言い方にはいつもながらびっくりさせられます。

この話には後日談があって、お嬢さんの意識が日に日にはっきりして行った頃に、その家族の知り合いの息子さんがボクシングで、打たれ所が悪くその場で気絶してタンカーで病院に運ばれたそうです。今でもまだ意識不明の状態にあると知らされ、迷わずお嬢さんがやった布でぐるぐる巻くことを勧めたのだそうです。その事故は台湾で起きたため、医者を説得するのに時間がかかったそうですが、その息子さんもほぼ二週間でしっかりと意識を取り戻し退院したということです。

まだいくつか珍しい事例がありますが、それはまたいつか。

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