デジタルの天気予報とアナログの天気予報

2023年4月26日

天気を予測する技術は大変進化し、最近の天気予報は、「今降っている雨は13分後には止みます」なんてレベルのものになっています。立ち止まって、「自分はこんなに細かく天気の移り変わりを知りたいわけではない」、なんて思ったりしています。

私の部屋には三十年以上前から、ゲーテバロメーターと呼ばれるものが壁にかかっています。このバロメーターがどういうものか説明するのは難しいので検索してみてください。検索すればすぐ出てきますのでそちらを見て想像してください。ただ形だけを見ても実際にどのような仕組みになっているのか、それで何がわかるのかは読み取りにくいかもしれません。

ガラスでできたこのバロメーターはゲーテが発案したものではなく、ゲーテの時代にはすでにあって、ゲーテはそれを使って天気の移行を調べていたのでその名があります。文豪ゲーテは自然科学の方でも優れた論文を書いています。余談ですが、先日完成したスペインのバルセロナにある「サクラダファミリア」という教会の設計者アントニオ・ガウディーはゲーテの自然科学の論文を深く研究した人だったのです。ガウディーの友人でドイ語の達者なのが彼のためにスペイン語に翻訳したものを読んでいたようです。ちなみのその自然科学の論文の注釈は、ルドルフ・シュタイナーが書いていたものだったのです。色彩論、植物学、鉱物学と多岐にわたる観察論文は今でも読み継がれているものです。

基本的には気圧の変化を見ていて、天気そのものは当たったり当たらなかったりです。今日のような正確な予測とは雲泥の差がありますが、気圧の変化でガラスケースの中の気圧に影響が出るので、それによってガラスに入れた水の水位が上下するところを観察します。実際に自然の中で気圧の変化の渦中にいるとき、ゲーテバロメーターを見ている時の方が、スマフォで天気予報を見ている時より、自然の中にいる感じがします。これがアナログの強みでもあります。ちなみにゲーテ自身は2時間先の天気の様子を相当正確に予測できたという文章を読んだことがあります。

 

 

 

 

 

 

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