写経的英語学習

2011年10月1日

ワープロ、コンピューターの登場以来文字を書くことはめっきり減った。

手紙だけは手書きでと思っていたはずなのにそれも印刷されるようになってしまった。

今はe-mailに頼り切っている。

 

去年英語を勉強すると決めた時に、同時に決めたことがあった。

英語を書きながら学ぶ。

ドイツ語は徹底的に読むことで習得した。

とにかく読んだ。

始めは手当たりしだい読んだ。

幸い留学した時には、シュタイナーの翻訳はなく、英語かドイツ語で読むしかなかった。

ドイツで生活するのだからドイツ語大事。

勿論ドイツ語を選んだ。

そして読んだ。

読みまくったと言えるかもしれない。

もちろん 他のものも読んだ。

新聞だけはなるたけ読まないようにした。

新聞言語は、コトバの学習には向いていない。

読んでいるうちに、自分の言語感覚に近いものが自分のドイツ語の上達には一番いいことが解って来た。

シュタイナーを読み、ホフマンスタールを読んだ。グリム童話の幾つかを丸暗記した。

シュタイナーの文章はドイツ人には評判が悪い。

しかし彼の文章は、実は質が高く優れたドイツ語だ。

その経験から、英語も先ずは読むことに徹するつもりだった。

しかし英語のスペルはドイツ語より例外が多い上に間違えやすい。

それで書くことも同時進行した。

読んだ物は全部書く。

自分でその文章を書いている感覚になるまで何度も書く。

問題があった。

自分の書いたものは、つまり自分の筆跡は好きになれない。

後で読み返すことが難儀である。

そこで筆跡を変える。

丁寧に書く。

幸い好きになれそうな筆跡を見つける。

それだけでなく、自分で書いた後で読めるくらい美しく書く。

不思議の国のアリスも書いた。

ヘミングウェイの好きな小説も書いた。

チャタレー夫人の恋人も書いた。

デッケンズも書いた。

コナンドイルのシャールックホームズも書いた。

グリム童話の英語訳も書いた。

気違いの様に書きまくった。

大きな声で読んでは、それを丁寧に気合いを入れて書く。

いつも鉛筆だった。

トンボはHB、三菱はB。

そして辞書を引くことを苦にしないこと。

電子辞書と本の辞書を交互に使う。

始めは英和辞典だった。

英語とドイツ語もどんどん活用した。

日本語で解りにくい言葉があって、それはドイツ語の辞書の方が役に立った。

英英辞書もできるだけ読む。

辞書を引く回数をどんどん増やしてゆく。

辞書が吸いついてくる様な感じが生まれる。

文章を読む時には、頭から読んですぐ感触がつかめる様な読み方をする。

書くときは、とにかく一語一語を丁寧に書く。

一語ではなく一文字一文字を精魂こめて書く。

気持ちがアルファーベートに乗り移る様に書く。

今日、札幌の小沼さんに、奥さんのほう、私の英語勉強法をお話しした。

写経ですね、それは、と言われた。

そうだったんだ・・・。

この言葉に今までやっていたことが一気に報われた思いがした。

そして最近感じていた、英語の方から呼びかけられているのが、実は英語の写経に因るのではないかと思いだした。

 

英語を勉強されている方たち、是非英語写経を実行してみてください。

最近は英語もドイツ語も筆記体という書体がなくなりました。

書く人がほとんどいないということです。

読める人も少なくなっています。

もう学校でも教えません。

自分の書体を見つけるしかありません。

先ず好きな文体を探し、それを大きな声を出して読む。

そして、一文字一文字、気持ちが乗り移るくらい気合いを入れて書く。

英会話の練習以上の底力が付きます。

一つ一つの言葉の広がりが生まれます。

それはきっとフットワークと言っていいものです。

絶対にお勧めです。

よい成果がありますよう祈っています。

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