シュタイナーの魂のこよみ 時間意識のための序章

2013年6月30日

魂の暦について少し書いてみます。

初めは復活祭に寄せての詩です。

 

O s t e r s t i m m u n g

「Wenn aus der Weltenweiten die Sonne spricht zum Menschensinn, und Freude aus den Seelentiefen dem Licht sich eint im Schauen, dann zieht aud der Selbstheit Hülle Gedanken in die Raumesfernen und binden dumpf des Menschen Wesen an des Geistes Sein.」

 

シュタイナーにとって時間は大切なテーマの一つでした。

時間との新しいかかわりが現代人には必要だと考えて作ったのがこの魂の暦と言っていいのです。時間と言うと今日は時刻が人ということになりますから、すこし説明を加えると、時間なのですが、時間の流れ、時の流れ、四季の移ろいと言うことで見えて来る時間のことです。時刻は固定した時間ですが、魂の暦の中での時間は移ろいゆく時間ですから、流動的です。

日本語でも幾つかの訳が出ています。参考にしてみてください。ただ付け加えると、シュタイナーの魂の暦は、一筋縄では行かない文章の連続で、翻訳を試みる人は悩むことばかりなのです。ドイツ語に近いオランダ語、英語ですら、翻訳できないと匙を投げる有様です。一応は読める形で出版されてはいますが、まだまだ模索中と言うべきものだと思います。

 

時間と空間は日常生活に深く根ざしています。思考的、思想的、哲学的意識出整理できるものではなく、民族毎に異なる日常生活があり、そこに根差した意識があり、その意識に働きかけようとしているため、言葉を文献学的に辞書通りに正確に訳しても、何も訳したことにならないのです。

ドイツ人は物事を幾何学的に、数学的に整理して解った積りにな民族ですから、シュタイナーの使ったドイツ語は基本的には数学的な整理の仕方が目立ちます。

 

もう一度言いますが、何を訳したらいいのかというと「時間と空間の中での人間の魂の営み」です。

しかも一週ごとに詩が、マントラの様につながって、一年を五十二週とみなして歌い続けるのです。その変化の様子です。先週と今週と来週の微妙な違いです。

何故そんなものが必要なのかと言うと、私が俳句に関して綴った文章の中で幾度となく繰り返し述べた、外の時間と自分の時間との融合と言うことです。

 

復活祭に寄せて

空が、太陽が五感に向かって語り始める、心の深いところで待ち構えていた生の喜びが、

春の光と一つになる時、空に向かって、閉じこもっていた新しい息吹が殻を破って解き放たれ人間から神的な存在へと静かに移行して行く。

 

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