気質は生きるためのヒントになるものです

2021年1月17日

まず大枠から話すと、気質は乗り物のような物です。

観光で外国を旅行している時に、その街を歩いて歩いて歩き回るか、最近は自電車のレンタルも盛んなので自転車を乗り回すか、それとも国際免許にしてきたので車を借りるか、それとも言葉もわからない外国なので旅行者のための一日観光のバスに乗り込むかみたいなところがあります。どんな方法でもそれなりの体験が得られるので、どれがいいとは簡単に言えません。

健康状態も影響しますから、何がなんでも歩かなくちゃ街は体験できませんと押し付けるわけにはゆかないのです。自転車が苦手な人もいます。車の運転はできても知らない街を走る時は相手の車の動きが読めないので(外国では特に)観光どころではなくなってしまうと考える人もいます。観光バスは行先が決まっているけど、乗っていれば着くので観光にはもってこいと考える人もいれば、それじゃテレビの観光案内と変わらないとぼやく人もいます。その人にふさわしいも方法を選べはいいわけなので、どれが一番いいという押し付け的な考え方を捨てなければならないのです。

 

気質は四つあるとは言っても幕内弁当のように区分けされているのではなく、水の中に四色の色を流し込んだような感じですから、純粋な色のところもあれば混ざっているところもあるので、血液型による性格判断とは違います。

それと一人の人間の中で、年齢によって変わることもあります。私の経験では、小学校の高学年の時に性格(実際は気質です)が変わったという人に何人か出会ったことがあります。この変化は、家庭環境に大きな変化があったために変わったというのでもなく、大病や事故で生死を彷徨った後変わったというのではなく、特に外的な変化があったわけではないのに、成長という流れの中での変化です。

 

さてみんなそれぞれの気質を持っています。混ざり具合で出てくるため、一つの気質だけを際立てている人の方が珍しいので、大抵はミックスされた気質です。気質という言葉が「混ざり具合」という意味です。それでも強く出ているものがあるので、それを外から見た時にあの人は何気質だと言われるのです。

ただ自分で「私は何気質だ」と思っているのと。他人が見て判断している気質には大抵違いがあります。それと他人でも身内のように毎日接している家族が見ているのと、全くの他人とでは見方が違っているものです。

個人的に私は「隠れ胆汁」と言っていた時期があったのですが、家内に言わせると「どこでお隠しになっていらっしゃるのですか」ということだったので、それ以降は「隠れ」を省くことにしました。

ある時、私から見たら100%の憂鬱」だと思っていた人と話していて、「私は多血だから」と本人が言った時に腰が抜けるほどびっくりしたことがあります。でもよく体験するのは、外から見た気質と反対の気質を本人は自分の気質と信じていることです。

ということで、ある人の気質を決めることは、難しいということです。この難しさは、気質が固定したものではないというところからきます。それと人間は希望的に生きているので、先ほどの憂鬱の人が、内心で多血的に少しおっちょこちょいな性格があったらと思っているので、「私は多血なので」という言葉なるのかもしれません。

 

ただ気質で一番はっきりと、これだけは相当具体的なのは、同じ気質同士はお互いにとてもイライラしているということです。親子でも似たもの同士の気質の場合、関係が非常にこんがらがってきます。同じ気質の夫婦は長続きしないと思います。職場でも同じような気質の同僚にはいつもイライラしています。これを巧みに使ったのはシュタイナーです。教室では隣に同じような気質の子どもを座らせるという方方法を提唱しています。

なぜこうするのかというと、気質というのは基本的には癖と非常によく似たものなので、成長とともに、突出した気質などは、大人気ないということなのです。何かことがあるたびに「これが私の悪い癖なのよね」と簡単に逃げる人がいたら、周囲は「なんと情けない人だ」と思うでしょう。つまり気質丸出しなんて、大人になったらみっともないものなのだと知っておくべきなのです。「私粘液質だから、いつも周りのことに気がつかないでごめんなさいね」などと言っているのはただの言い訳で、大人げないのです。

同じ気質の持ち主は、例えば胆汁気質の場合だと、イライラしながら、突出したところを削り合っているのです。憂鬱気質で深く沈んでしまう傾向の二人が一緒にいる時に「あんたそんなに悩んでいないでもっと軽く生きなさいよ」と励ましていたりするのです。多血同士が隣に座っていたら「お前少しは落ち着けよ」と同じくらい落ち着きのない多血質の人が説教したりするのです。

私たちの心の癖は、病は気からの言葉通り私たちの健康にも影響します。気質と健康は細かく見ると、薬の使い方などを配慮する時にも考慮されていいものなのですが、それは相当専門的な知識と経験を必要とすることなので、ここでは触れないことにします。

ということで、気質のことを簡単に整理してみました。

何か皆さんの生活に役立つものがあることを祈っています。

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