仁熊春美さんのご冥福をお祈りいたします

2013年1月22日

仁熊春美さんと言っても、誰だろうと思われる方がほとんどでしょう。

かつて悠久庵主催の私の講演会を裏方さんとしてしっかり支えてくださった方です。それ以上に、私の小冊子「翁雄正話 – おおきなおせわ」で、大変にお世話になった方です。

ですから、「おおきなおせわ」の読者の方にとってはなくてはならない人、と言うことになります。

仁熊春美さんが、昨年の九月九日に突然お亡くなりになられたこと、今日知らされました。

生前、彼女にいろいろな形でお世話になったお礼に一文を書かせていただきます。

 

仁熊さんの読書の才はケタ外れていました。言葉を知り尽くしている様な方でしたから、言葉にとてもうるさい方でした。その才能が「おおきなおせわ」を生む大きな原動力になっていました。

私の話し言葉は聞いている時には解るのですが、それを改めてテープで聞いてみると、「一体この人何を喋っているのか」と首をかしげる、不思議といえば不思議なのですが、でたらめといえば随分いい加減なものです。その話し言葉を原稿に起こしくださったのは、悠久庵の小澤裕子さんです。これはこれで、とても優れた言語感覚によって可能になったものです。その小澤さんの原稿に目を通してくださって、一般の言葉として通用するものにしてくださったのが、仁熊春美さんでした。小冊子「おおきなおせわ」は原稿起こしの才能と文章の才能の二つが合わさって初めて生まれたものでした。

 

読者のみなさんを代表して、

仁熊春美さん、「おおきなおせわ」を支えてくださってありがとう。

心からお礼申し上げます。

そして心からご冥福をお祈りいたします。

 

                                              仲正雄

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